九本目 添え手突き

前進中、左の敵の殺気を感じ、機先を制して右袈裟に抜き打ちし、さらに腹部を添え手で突き刺して勝つ。

動画

動作

  1. 右足より正面に向かって前進し、左足を踏み出したとき、左の敵に振り向くと同時に刀に両手をかける。続いて踏み出した右足を軸にして敵に向き直りながら左足を引くと同時に上体を左に開いて敵の右肩口から左脇腹まで「袈裟に抜き打ちする」。
  2. 右足をやや外側に向けてわずかに引いて「添え手突きの構え」となり、間をおくことなく左足を踏み込むと同時に敵の腹部を「突き刺す」。
  3. 左手の位置を動かすことなく、刀を引き抜きながら刃先を前下に向け、右こぶしを右乳前方におくって「構え」残心を示す。
  4. 左手を刀身からはなして鯉口を握り、左足を引くと同時に刃先の向きに沿って「右に開いての血振り」をする。
  5. そのままの姿勢で納刀する。
  6. 後ろ足を前足にそろえ、右手を柄からはなして「帯刀姿勢」となり、左足より退いて元の位置にもどる。

審査の着眼点

  1. 右袈裟に抜き打ちしたとき、右こぶしはへその高さとなり、切っ先は右こぶしよりわずかに上がっているか。
  2. 左手が刀身の中程を親指と人差指の間で確実にはさみ、右こぶしは右上腰に当てているか。
  3. 腹部を突き刺したとき、右こぶしはへそまえで止まっているか。
  4. 残心のとき、右肘が曲がったり、右こぶしが右乳より高くなったりしていないか。

気をつけるポイント

  1. 添える手は、刀の中ほど。手を伸ばすと大抵先すぎる。(2020/08/30)
  2. 三歩目は半歩。左足のやや前。(2020/08/30)