六本目 諸手突き
前進中、前後三人の敵の殺気を感じ、まず正面の敵の右斜め面に抜き打ちし、さらに諸手で水月を突き刺す。つぎに、後ろの敵を真っ向から切り下ろす。続いて正面からくる次の敵を真っ向から切り下ろして勝つ。
動画
動作
- 右足より正面に向かって前進し、左足を踏み出した時に刀に両手をかけ、右足を踏み込むと同時に上体を左へ開いて正面の敵の右斜め面からあごまで抜き打ちする。
- 直ちに後ろ足を前足近くにおくりながら刀を中段に下ろして左手を柄にかけ、間をおくことなく右足を踏み込むと同時に諸手で正面の敵の「水月」を突き刺す。
- 後ろの敵に振り向き、右足を軸に左回りに回って刀を引き抜きながら左足を左に踏みかえ、受け流しに頭上に振りかぶり、後ろの敵に向き直ると同時に右足を踏み込んで真っ向から「切り下ろす」。
- さらに正面からくる他の敵に向き直ると同時に左足を左に踏みかえ右足を踏み込んで真っ向から切り下ろす。
- そのままの姿勢で左手を左帯におくると同時に「右に開いての血振り」をする。
- 左手を左帯から鯉口に送り、そのままの姿勢で「納刀」する。
- 後ろ足を前足にそろえ、右手を柄からはなして「帯刀姿勢」となり、左足より退いて元の位置にもどる。
審査の着眼点
- 敵の右斜め面を抜き打ちしたとき、あごまで切り下ろしているか。
- 中段になりながら後ろ足を前足に送り込んで確実に水月を突き刺しているか。
- 刀を抜きながら受け流しに振りかぶっているか。
気をつけるポイント
- 振り向くときに、後ろ足が残って撞木足にならぬよう、しっかり攻め腰を作る。(2020/08/23)
- 抜き打ちは右斜め面から顎まで。7本目と軌道が違うので注意。(2020/08/23)
- 振り返る時、右足をしっかり回転させて、体勢が辛くなるので左足を踏み替える、の順。でないと回りきれず斜めに切ることになる。(2020/08/31)
- 突きは自分ではなく、直立した相手の水月なので割と高い。突く時は手を伸ばさず、腰から前に出るイメージ。(2020/08/31)
- 付きの際に、後ろ足の位置をじゅうぶん気をつけないと、足が揃ったり追い越したりしてしまう。最初のうちは、「離れ過ぎかも」と感じるくらいでちょうどよいかもしれない。(2020/09/13)