十一本目 総切り

前進中、前方の敵の殺気を感じ、機先を制してまず敵の左斜め面を、つぎに右肩を、さらに左胴を切り下ろし、続いて腰腹部を水平に切り、そして真っ向から切り下ろして勝つ。

動画

動作

  1. 右足より正面に向かって前進し、左足を踏み出したときに刀に両手をかける。右足を踏み出して刀を前方に抜き出し、右足を左足近くに引きよせながら受け流しに頭上に振りかぶると同時に左手を柄にかけ、間を置くことなく右足を前に踏み込んで正面の敵の左斜め面からあごまで切り下ろす。
  2. 切り下ろした刀を棟の方向に返して頭上に振りかぶり、右足を前に踏み込んで正面の敵の右肩口から「水月」まで切り下ろす。
  3. 切り下ろした刀を棟の方向に返して頭上に振りかぶり、右足を前に踏み込んで正面の敵の左脇下から「へそまで切り下ろす」
  4. 切り下ろした刀を棟の方向に返して頭上に振りかぶり、刃先の方向を前方に返しながら左上腰に刀を水平にし、刀を止めることなく右足を前に踏み込んで正面の敵の右腰腹部から左腰腹部を水平に切る。
  5. 水平に切った刀を止める事なく頭上に振りかぶり、右足を前に踏み込んで正面の敵を真っ向から切り下ろす。
  6. そのままの姿勢で左手を左帯におくると同時に「右に開いての血振り」をする。
  7. 左手を左帯から鯉口におくり、そのままの姿勢で「納刀」する。
  8. 後ろ足を前足にそろえ、右手を柄からはなして「帯刀姿勢」となり、左足より退いて元の位置にもどる。

審査の着眼点

  1. 刀を抜き上げたとき、受け流しに振りかぶっているか。
  2. 切る時送り足になっているか。

気をつけるポイント

  1. 一刀ずつ、前にグッと勢いを送る。(2020/08/30)
  2. 堂々と。雑魚を相手にするつもりで上から見下す。(2020/08/30)
  3. 水平斬りは、手の内を柔らかく持ち、手首だけで返すのではなく、体の左から右に真っ直ぐ振り抜く。
  4. 水平斬りは、腹から体当たりするような心持で前に出る。(臍で切る)(2020/08/30)
  5. 抜刀時は、12本目の要義とは違い、きちんと受け流しの姿勢をとる。(2020/08/30)
  6. 頭上に受け流しの角度は、3本目のそれよりも角度が緩やか。物打ちが頭上に来るようにする。(2020/08/30)